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周回遅れの読書 風濤 [书]





電子本で買ってしばらく読んでいなかった本です。井上靖の作品ですから、あまり文句はないです。文中にフビライからの命令(勅命)などが、漢字カタカナ混じり文で出るのですが、これが読みにくい。元寇についての攻める側の元支配下の高麗からの描写。元から命令に従うしかない高麗の苦悩が描かれれています。

二回の元寇とも神風で吹き飛ばされたのですが、高麗は軍船を建造させられ、兵士を供出し国力の衰退を余儀なくされた。半島国家の苦渋がよくわかる。大変だったなあという感想だけですが。高麗は今の北朝鮮地域が本拠地ですが、昔も今も大国に隣接して不安定な地域だったと。

この小説とは関係ないですが、これだけモンゴル帝国の元が力を持ったのは何故なのか?という疑問が読んでいて思い浮かびます。軍事力を持つには経済力が不可欠ですが、それはなんだったんだろうと?元は安定した治世を描くよりは、ただただ周辺国家を侵略するわけで長続きするわけはなかった。

北朝鮮の要人が北京を訪問したようですが、兎に角、あの地域は東洋の火薬庫のようなイメージです。

ところで、やっぱり電子書籍は読みにくいです。なかなか電子書籍の紙面ではなく画面に集中できないのです。


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読めない本 [书]

古本で有名作家の本を読んでいたのですが、どう読んでも興味もわかないし、読んで不快となるので途中で止めました。古本なんで時代が違うということもあるんでしょう。それにしても下らない小説で、よくもまあこんなもん書いて今は大御所として発言しているなあ?と呆れました。

やはり時代が違うのでしょうね。この作家の研究者なら是非読むべきでしょうが、ただ単に小説を読んで楽しむなら別でしょう。解説は大御所の本なんで、これまたこの作家論のような解説で、何が何やらさっぱりわからない。

こういう作家の文章が大学入試なんぞに引用されるんでしょうけど、なんだかなあという感じ。


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周回遅れの読書 伊豆の踊り子 [书]


伊豆の踊子 (新潮文庫)

伊豆の踊子 (新潮文庫)

  • 作者: 川端 康成
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/05/05
  • メディア: 文庫



言わずと知れた川端康成の「伊豆の踊り子」ですが、その昔、(子供の頃なんでダイジェスト版だったか?挿絵だけは覚えているような?)読んだ覚えがありますが印象が薄い。シニアになって読むとまた違った感じがします。ところで、この川端康成ですが、ノーベル文学賞作家ですが、どうもエロ爺さんというイメージがあります。まあ、エロ爺さんでない爺さんが居るかどうか知りませんが(笑)。

この本には解説に三島由紀夫が難解な解釈を書いています。ノーベル文学賞受賞後の解説なんでしょう。格調高くなんか書いていますが、よくわかりません。この本には、「伊豆の踊り子」の他に、「温泉宿」「抒情歌」「禽獣」の短編が含まれています。

「伊豆の踊り子」は瑞々しい描写でさすがだと思います。旅芸人の少女に惹かれる一高生の話しですが、この一高生は川端康成自身でしょう。次の「温泉宿」は温泉宿で働く貧しい娘たちの物語です。生活するために身体を売ることも憚らない時代です。「伊豆の踊り子」も旅芸人で、社会の底辺の貧しい人々の話しです。これらの女性たちを情景豊かに色っぽく描くのが川端康成です。

「抒情歌」は川端康成の宗教観の一端が見られるのですが、東洋の死生観の輪廻がモチーフの作品です。「禽獣」はペットの話しからの生死や男女の仲の話し。なんでこんなテーマでこんな視点なのかさすがだと思うのですが、暗くて淫靡な感じで、これが川端康成の人間の性(さが)の捉え方なんでしょう。やっぱりどうも苦手です(笑)。


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周回遅れの読書 大いなる眠り [书]


大いなる眠り

大いなる眠り

  • 作者: レイモンド チャンドラー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/12/01
  • メディア: ハードカバー



これはその昔、双葉十三郎訳で読みました。で、もう一度、今度は村上春樹訳で読みました。アマゾンの古本で購入した双葉十三郎訳のセピア色のページを読むと頭に浮かび上がる情景もセピア色になるので、これは参ったと、新しい白いページの村上春樹訳にしました。

昔、読んだときも正直言ってイマイチでしたが、今回もイマイチでした。なんというかテンポがつかめない。レイモンド・チャンドラーの長編第一作というので、長編としてのテンポがやや劣るのではないか?と思いました。それまでは短編を書いていたチャンドラーですから、長編は短編のテンポでは息が切れる。

短編をつなげた長編という感もあり、どうも整合性に欠ける展開だったりして、えっ、こうなの?という展開で、意外性というわけでなく違和感に近い流れなんです。でも、これが変にリアリティがあると言えばある。すべてが一件落着では水戸黄門か大岡越前ですからね。この小説を映画化したときに映画監督がチャンドラーに、ところであのドライバーは誰に殺されたのですか?と問われて、チャンドラーは私にはわかりません、と応えたとか。

主人公の私立探偵フィリップ・マーロウの人物像がまだ?やや硬すぎる。これ以降のシリーズのフィリップ・マーロウはより人情味があって魅力的なんです。ギムレットも出てこないしね、、、、解説は訳者の村上春樹が書いていますが、そこにあのカズオ・イシグロもレイモンド・チャンドラーのファンだと書いてありました。なるほどと思わせる文体ではあります。何度も読んでみる価値のある例外的な探偵小説じゃないか?と思います。





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周回遅れの読書 ワシントン封印工作 [书]


ワシントン封印工作

ワシントン封印工作

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/10/10
  • メディア: Kindle版



今は森友問題でメディアは大騒ぎです。なんぜこんな書き換え、改竄が起こるのか?政治家への忖度ということなんでしょう。官僚、公務員は全体への奉仕者のはず。でも、そんなことを単純に信じるような世ではない。いわゆる大人の事情が横行する。そして、全体への奉仕者、国家の為ではなく、省益や派閥の為という倭小化された競争社会が日常化。有力政治家に取り入れば省益は確保できる、国家が傾こうと自分の属する省庁が栄えれば良い、そして取り入った官僚は出世する。

それでこの小説を思い出した。この小説は娯楽小説です。真珠湾攻撃までの日米戦争回避のギリギリの外交交渉が描かれている。フィクションですが、小説の終盤になぜ宣戦布告文書が真珠湾攻撃前に米国側に手渡せなかったのか?が描かれている。実際の真実はわかりませんが、この小説の描く状況と大きく違わないでしょう。

若手大使館員が「(宣戦布告文書を米国側に手渡す前に真珠湾奇襲攻撃したので)騙し討ちの、卑劣な日本。 自分の故国についてこんな評価を受けるために、おれは外交官をめざしたんじゃない。おれは、この時期、この日本大使館にいたことを恥じ ますよ。生涯恥じることになるでしょうよ」と述べるのです。官僚のメンツ、意地の張り合い、派閥争い等々、国家のメンツ威厳もなんのその、、、昔も今も変わらない。

一部に、森友や加計問題を単なる政局問題だからと過小評価して、天下国家を論じろという論調を語るアホがいますが(たいていは安倍内閣忖度派)、それは違う。こんな問題を起こした内閣に天下国家を任すわけにはいかない。


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周回遅れの読書 花腐し [书]


花腐し

花腐し

  • 作者: 松浦 寿輝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/07
  • メディア: 単行本


これは、芥川賞受賞作品ですが、私にはボツ作品でした。今更こういう小説が成り立つのか?と思いました。幻想的に綴るならそれも良しですし、リアリティに徹するならそれも良しですが、どっち着かず。

主人公と偶然知り合った人物との会話で成り立つ小説ですが、それが不自然で違和感を拭えぬままに、回想、哲学、社会世相を論ずるような恣意的過ぎる設定。偶然知り合った人物とその愛人、主人公と同棲していた恋人の回想が登場人物。

登場人物がどれもこれも散漫なんです。バブルが弾けた後の世相を背景に何を語りたいのか?亡くなった恋人の回想を綴るのか?とっても曖昧な作品。芥川賞選考評価を見ると、〇がたった一つで受賞となっている。習作風の作品、、、、、

追記:このあと、この本に併録されている書き下ろしの「ひたひたと」も読みましたが、似たようなもんです。後から知ると、この作家は詩人とうことで、なるほどと思いました。「ひたひたと」もそうですが、リアリティが全くありません。幻想的というほどでも無い。散漫でオボロで詩的と言えばいいのでしょうけど、泥臭いことも何もかも詩的に綺麗に仕上げている。小説とは言い難い。詩文ならいいのでしょう。長い詩文を書いているように思えます。もう既に終わった悲しい人間の性(さが)を、淡々と思い返して綺麗事にして人生から逃げる様を描いているだけで、だからなんなんだ?という感じ。


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来た来た「大いなる眠り」の村上春樹訳 [书]

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レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」村上春樹訳が来ました。これで、セピア色の情景描写ともお別れです。実は、村上春樹訳のレイモンド・チャンドラーはこれがはじめてなんです。楽しみだ。写真右が1955年出版で、左が2016年出版。出版年度に60年以上の差がある。名作は売れ続けるんですね。

左の本のセピア色のページを読むと、情景が本当にセピア色に浮かび上がる。これではいくらなんでもなあと。村上春樹訳の右の本では、ちゃんと総天然色カラー映画のように情景が浮かび上がる。総天然色カラーってわかります?昔の映画ではそういう風にカラー映画を宣伝していたんですよ。




大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: レイモンド チャンドラー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/07/24
  • メディア: 新書



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きれぎれ の 続き [书]

「きれぎれ」には、「人生の聖」が入っていて、これも読みましたが、リズム感はある面白い文章なんですが、「きれぎれ」と同時期に書かれたので、「きれぎれ」の続編のような話でした。かつ内容はイマイチです。これ読んで連想したのは、安部公房の「箱男」なんですが、「人生の聖」は「箱男」よりも一人芝居に終わりつまらない。

どうしょうもない主人公という点では、以前読んだ「苦役列車」と同様なんですが、「きれぎれ」や「人生の聖」は贅沢三昧のボンボンが落ちぶれていく話で、幻想というか精神混乱曼荼羅風に描き、「苦役列車」ははじめから貧困であり、一昔前の小説のような写実的なリアリティで描いている。

「きれぎれ」の方が小説としては完成度があります。「人生の聖」は文体の饒舌さと奔放さに比べて内容が劣る感じ。かつ、なんでこの題名「人生の聖」なのかも不明。ともかく、「きれぎれ」も「人生の聖」もユーモアもいいのですが、もっと内面的な人物描写が欲しかった。興味深い主人公ではあります。これが豊かな時代の精神の腐蝕腐敗なんだと思うのです。一方、「苦役列車」は時代錯誤的な貧困からのうめき声のような感じ。










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周回遅れの読書 きれぎれ [书]


きれぎれ (文春文庫)

きれぎれ (文春文庫)

  • 作者: 町田 康
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/04/07
  • メディア: 文庫



まあ、なんだかわからない幻想的というほどでもない、空間と時間をはしょりながらのストリー。なんじゃこれ?と思って、途中で読み続けるべきか?と、ネットの芥川賞審査員のコメントを見ると、絶賛は石原慎太郎だけ。というか石原慎太郎だけが推した受賞のようだ。これには苦笑しながら、じゃあ読み終えようと。

石原慎太郎が絶賛するなら、私にとっては大抵は面白くない。でも読む価値はありそうと。ストリーはとっても単純な話。金持ちのボンボン育ちが、友人がドンドン出世するのが気に入らないという屈折した心理を描写、だけ、、、

文章は結構面白い。センテンススタイルが良い。この文体でこの作家はドンドンと書き続けているんでしょう。だとすれば面白い作家だろうとは思う。こういうスタイルなんだとわかっていれば読みやすいでしょうが、初めはなんじゃこれ?というもの。

問題は今後この文体で何を描くか?でしょうね。最近の作品はどうなのか?ちょっと気になります。この「きれぎれ」の読後感は、悪くないです。主人公の自虐的などうしょうもないバカさ加減がユーモアとなって醸し出されるある種の爽快感。


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周回遅れの読書 沈黙 [书]


沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

  • 作者: 遠藤 周作
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1981/10/19
  • メディア: 文庫



言わずと知れた遠藤周作の代表作。その昔、このテレビドラマを見たような(最近も映画化されたようですが)。レクイエム、キリエとかカンタータなどの宗教音楽はクラシックとしてはよく聴くのですが、宗教的なキリスト教徒の小説は敬遠していました。かつ、晩年の遠藤周作は孤狸庵先生として売れて、チャラいCMなんぞに出ていてどうも嫌でした。

この「沈黙」を思い出して読もうと思った切っ掛けは、先日読んだ「聖水」で、オラショが出てきたからです。オラショとは、隠れキリシタンの祈りの聖歌で、もともとラテン語の歌詞で、それを密かに口述伝承して400年以上にわたっている。

しかし、やっぱり読んでもよくわからなかった。私はカトリック信者ではないし、この小説のポルトガルの宣教師も、まるで日本人のような心理の動き。その心理の動きは作者の遠藤周作そのものじゃないのか?ポルトガル人宣教師ではなく、遠藤周作が舞台で演じている宣教師のようで、余りにも日本的な展開のような気がしました。それがとっても違和感です。

ポルトガルやスペインの宣教師が日本に布教したキリスト教は、日本流に変質して広がったのではないか?というのも出て来る。日本で迫害を受けるキリスト教徒や宣教師を前に神は「沈黙」を続ける。それはなぜなのか?と、、、、裏切り者のユダのような人物も登場している。キリスト自体はユダをどう思っていたのか?やっぱり私にはよくわからない小説でした。遠藤周作はキリスト教徒だからこの小説の流れが必然なのか?孤狸庵先生は私には難しかった。


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