So-net無料ブログ作成
検索選択

周回遅れの読書「泥の河」と戦争 [书]

米国はすんでの所で、北朝鮮攻撃をとどまっているようです。中ロの説得、独仏の反対、韓国の懇願でなんとか踏みとどまり、唯一、日本だけが米国の戦意に賛成。日本というか安倍晋三総理ですが。総理の北朝鮮に強硬姿勢はどうも人気らしい。支持率が上がったようです。

ところで全面石油禁輸の制裁を受けて戦争を起こした国がありますが、北朝鮮ではありません。我が日本が太平洋戦争を起こしたのは米国の全面石油禁輸が切っ掛けです。このような制裁を窮鼠猫を噛むかもしれない北朝鮮に課そうする。全面禁輸にはしなかったのですが、なんともまあです。北朝鮮に米国が攻撃すれば、中国は北につくと警告しています。

米国が北を攻撃すればソウルが火の海になるかもしれないし、日本にも攻撃が及ぶでしょう。恐ろしいことです。田中角栄が述べたという、戦争を知らない世代が政治を左右する時代が怖いというのが正鵠を射る指摘でしょう。


螢川・泥の河

螢川・泥の河

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/11/30
  • メディア: Kindle版



と、「泥の河」を読んでみました。大学卒業の頃に映画化されて話題となった小説でしたかね。小説の冒頭で、荷馬車をひくビルマ戦線の生き残りの運送人夫が、橋を渡り損ねて自分の荷馬車で轢死するところから始まります。ビルマ戦線というから彼の悪名高いインパール作戦の生き残りでしょう。

舞台は敗戦後10年たった大阪。主人公の父親も太平洋戦争の生き残りです。主人公は子供。その子に友達が出来るのですが、その友達は艀のような舟に住む母子家庭の姉弟。その艀のような舟で母親は売春をして日々を営んでいる。

筆者の描写力のおかげか、変に力まずに淡々と小説は進行して終わる。「螢川」の方も淡々と描かれていて、こりゃ筆力ある作家だなあと思いました。「泥の河」が特にそうなんですが、精密な人物描写をしてないように思えるのですが、登場人物がビビットに見えるのです。筆力の賜物でしょうね。「螢川」も敗戦後の話し。両作品とも敗戦後の日本の匂いが漂うもの。戦後の小説です。さて今は戦前なのか、、、、1977年に出た小説。つまり40年前ですか。なるほど戦後の小説で、今は戦前とならないといいですがね。


nice!(0)  コメント(0) 

周回遅れの読書 阿弥陀堂だより [书]


阿弥陀堂だより (文春文庫)

阿弥陀堂だより (文春文庫)

  • 作者: 南木 佳士
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/08/01
  • メディア: 文庫



これも映画化された作品。ネットで映画のポスターの俳優陣を見て、原作と映画は違うだろうなあと思いましたが。この本、いつものようにアマゾンの中古本で買ったのですが、届いてみて、ああ間違ったなあと思いました。偏見かもしれませんが、医師が書いた作品は原則敬遠することにしています。

この著者は業界で超有名な病院のドクター(当時かな?今は知らない)。科にもよりますが、医師は患者の死に数多く立ち会っているはず。だとすると死生観が一般のかたとは違っているはずです。それを押し殺して作家しているのか?と思ってしまう。かつ、描写で医師の視点が入ると読んでいてうざったい。それでいて、それを押し殺して描写するとわざとらしい。で、原則医師物は読まないことにしているんです。

主人公は女医の妻を持つ、いわば髪結いの亭主というもので、売れない作家。作品を産み出そうとして苦吟している。そして編集者に執筆のあり方について批判されるエピソードが出て来ます。的確な指摘だなあと思いますが、この小説自身がその的確な批判に耐えられる作品なんだろうか?と思わず苦笑。

すんなり読めて後に何も残らない爽やか?な作品なんでしょうかね。阿弥陀堂の巫女のような97歳という設定の老婆の存在感だけが光る作品ですわね。その老婆役を映画では北林谷栄が演じたようですが、これはミスキャストじゃないかと思います。そういうイメージじゃないなあ、、、映画には向いているストリーですが、実際の映画の俳優女優陣(当時の人気俳優女優陣を起用)を見ると原作とはかなり違う設定にしないと、ストーリーと俳優陣が乖離してしまうだろうなあという感じ。映画は見ていませんし、見る気もないですが。


nice!(0)  コメント(0) 

右翼本コーナーと化した街の本屋と「君の膵臓をたべたい」 [书]


君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2017/04/27
  • メディア: Kindle版



先日、久しぶりに郊外モールの馴染みの本屋に行ってみたのですが、スペースが小さくなっていました。本を本屋で買う人が減ったのか?と思ったのですが、目当ての作家の本は無かったです。ビックリしたのは売れ筋として置いてある本がすべて極右か右がかった本ばかり。百田尚樹とかケント・ギルバートとか、、、、歴史書コーナーは一段と小さくなり、ここも私には極右か右の歴史本としか思えぬ書籍がデカい顔で置かれていた。

今どき、本屋にノコノコ来るのは右系の本を買いに来るひとが多いのか?と偏見を持ったくらいです。で、めぼしい本がないかと本棚を見ていると変なタイトルの青春?小説「君の膵臓をたべたい」が目に留まった。カニバリズムの本かいな?と見ると違う。還暦過ぎた爺が青春小説読んでどうする?と思って本屋を出たのですが、気になって帰宅後にアマゾンでKindleで読みました。

瑞々しい青春小説でした、やっぱり。介護予防の本を買うべき爺には眩しかった。でもちょっと、終わり方のプロットが納得できませんでしたけどね。医師稼業をしていると、そう簡単に小説のプロットとして死を迎えさせないでよと思うのです。主人公のガールフレンド(サブ主人公というか、こっちが主人公でもいい)は余命幾ばくも無い病人です。予定調和的なエンディングをさせないという作者の小手先芸なのか?と思ったくらいですが。

でもまあ、あのバッタバッタと人が死ぬ「月の満ち欠け」よりもいいのですがね。「月の満ち欠け」の方はストリーの為にバッタバッタとお役御免の登場人物が死ぬのですわ。ファンタジーはまだいいのですが、ちとね、、、、、
nice!(0)  コメント(0) 

「苦役列車」の続き [书]

先日の「苦役列車」の文庫本は、「苦役列車」と「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」の二篇が収めています。で、後者の「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」も読みました。そして、この本には、解説として政治家としてではなく小説家として石原慎太郎が書評を記してありました。

私小説としてのジャンルは私はあまり評価しないのですが、「魅力的な大男」とタイトルした石原の書評の通りだと思いました。面白いのは石原の文体が苦役列車の著者の文体を意識してか古風な感じ、石原慎太郎の作品はあまり読んでないので、氏が普段からこういう文体かどうかわかりませんが。

「苦役列車」は底辺の若者の描写ですが、これが著者の体験や生い立ちから産まれた作品ならいわゆる私小説ジャンルです。石原の指摘するように、では芥川賞受賞してから「苦役列車」の筆者は少なくとも底辺ではありませんから、どう作品を産んで行くのか?そこに興味があるわけです。

夏目漱石が露悪家という言葉で表すように、露悪家はわざと悪い部分を出して顰蹙を買うのですが、じゃあ、それは偽善家と所詮変わりはない。自分の底辺の生い立ちや生活を出汁に作品を産み、自分が豊かになったらどう作品を産むのか?露悪家は偽善家を「それは偽善だ!!」と批判しますが、では露悪家は偽善家とどれほど違うのか?

「苦役列車」で主人公の友人のガールフレンドが慶応ガールで、酔った主人公はむちゃくちゃこき下ろす場面があるんですが、底辺のもののプチブル批判(済みません、私の世代ではこの表現しかとれない)ですが、この場面はなんだかレトロな常套句のような感じがしました。

そして今やテレビにも出て来る著者は、そのプチブルそのもののステータスを得ている。さて、石原の言う「魅力的な大男」は真の大男になったのか?現在の作品読んでないので知りませんが。ところで、「苦役列車」を読んだ直後に「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を読むと、楽屋オチの感がしますが、面白いです。上がろうとしてもがくプライドだけは高く、でも小心でペシミスティックで何故か憎めない野郎で、極めて人間的。とても良い小品だと思いました。

「苦役列車」の方は時々、馬脚が出るんですね。底辺の若者を描いているのですが、実は違う、、、と。






nice!(0)  コメント(0) 

周回遅れの読書 苦行列車 [书]


苦役列車 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)

  • 作者: 西村 賢太
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/04/19
  • メディア: 文庫



これは2010年の芥川賞受賞作品。読んだ感想としては、暗い重いという感じの私小説調の作品で、文体が意図してか古い。読み出した時は1950年代敗戦直後の北海道を舞台とした小説なのか?と思ったくらい。なぜ北海道か?というと泥炭地のイメージがしたので。

と、時代は現在に近くて東京が舞台というから文体と内容が合わないなあと思いました。これで何を描きたかったのがピントこない。恵まれた?現在の学生も居れば、現在も小説の主人公のようなその日暮らしの自堕落な底辺の若者も居る、、、、と今更描きたかったのか?

それともいわゆる作者の私小説としての作品としての存在価値なのか?ちなみに映画化されて前田敦子が出演して話題となったようですが、小説とはほぼ関係ない映画じゃないか?と思いますが。私はもともと私小説をジャンルとして認めてないので辛口になりますが、この文体を活かすような小説をその後書いているのかな?とちょっと気になりました。

nice!(0)  コメント(0) 

周回遅れの読書 コンビニ人間 [书]


コンビニ人間

コンビニ人間

  • 作者: 村田 沙耶香
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/07/27
  • メディア: 単行本



昨年の話題の作だったようですが、周回遅れ気分で読んでみました。で、これはやっぱり傑作だと思いました。極端な人格というか人格障害の主人公なんですが、他人事とは思えない親しみのあるキャラクター。人間の病理でもあり、学習機能でもある周りの環境と合わせるという能力だけで生きていく主人公。

コンビニでバイト暮らしする主人公は、同じコンビニで働く店長とバイトの口調を真似する。そうすると一見、違和感なくコンビニという職場に溶け込める。自分という主体性がないことをよく自覚している。これが病的性格なのか、もともとの人間はそうなのか?

社会という集団生活では、その集団に溶け込めるように周りの習慣をmimicする。そのうち、どこかでmimicした習慣が自己とか個性になっていくだけかもしれない。主人公は、自分は◎◎%は◎◎さんで、△△%は△△さんで、◇◇%は◇◇さんの要素で自分は出来ていると思い込んでいる。

コンビニという職場でバイト店員として働くことで、主人公は自分が社会に繋がっている部品、部分と自覚できる。これは誰しもそうでしょう。ただ、それに気が付いているか気が付かないかは別として。リタイア後に社会との繋がりが希薄になり不安定になる老人は多々居ます。

なるほどこの小説は話題となっただけの視点だと思いました。


nice!(0)  コメント(0) 

芥川賞の本 [书]

直木賞も読んだのだから、芥川賞受賞作品も、と読んでみました。ネタバレではないですが、先入観を持たずに読むには、この記事を読まない方が無難です。


影裏 (文春e-book)

影裏 (文春e-book)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: Kindle版



凝ったタイトルで影裏ですが、エイリと読ませるようですが、「かげうら」というイメージの終わり方。舞台は岩手盛岡?なのか。東日本大震災のエピソードがあるのですが、このエピソードがなくても良かったような気がします。東日本大震災のエピソードで小説を書き上げるのは難しいと思ったのは「禁断のスカルペル」などを読んで。小説のキーパーソンが流されて終わりというストーリーでは安易でしょうしね。この「影裏」で震災のエピソードが不可欠とは思えないのですが。

芥川賞は作家としての登竜門という昔の考えで行けば、次回作品に多いに期待したいと思います。漢字にはやや凝った使い方をしています。人物描写や性格描写にもっと凝っても良かったかと思います。

ところで、この小説でも東日本大震災でも東北内陸部はそれほど被害はないというスタンスで、その通りです。ただし震災直後だけですが。直後は影響が少なかった内陸部も福島原発の放射能が広域に降り(風評被害も含めてですが)、その後はボディーブローのように、物流や観光産業は甚大な影響を受け、さらに放射能汚染物質の処理に今も難渋している。直接的な津波被害と後の広域な産業への影響など考えると、小説でのエピソードとしての扱いにちょっとなあと思ったりします。







nice!(0)  コメント(0) 

直木賞の本 [书]

今年の直木賞受賞の本を読んでみました。ネタバレではないですが、新鮮な気分で読みたい方はこの記事は読まない方が無難でしょう。


月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

  • 作者: 佐藤 正午
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 単行本



この本は、ファンタジーです。私はファンタジーはあまり好みではありません。ゴジラもファンタジーで、そのテーマはどうあれもう映画は見ないです。で、この小説は輪廻をテーマにした愛のファンタジーです。ちょっと見る気も無く見たテレビドラマが、この展開はどうなるだろうと最後まで見てしまった感を抱かさせる筆の上手さは、さすがに直木賞作家だと思います。

でも、この作家は還暦過ぎてから初めて直木賞候補になったとか。芥川賞が作家としての登竜門で、直木賞が中堅作家の証という流れは今はあまりないようです。以前、同じ直木賞の「流」も読みましたが、これもファンタジーでした。ファンタジーとは現実には有り得ない超常現象をテーマにしているという意味ですが。

直木賞はこの手のファンタジーが好きなのかもしれない。あるいは現在は、こんなファンタジーを欲する時代なのかもしれません。ファンタジー無しに愛を語れば野暮ったいのか?あるいは平凡過ぎて小説にならないのか?私にとっては、今度はある意味でファンタジーという禁じ手を使わないで愛を語って欲しいのですが、それでは現実過ぎて小説にならないのか。





nice!(0)  コメント(0) 

歴史は金目でしょう? [书]

まえから読んでみたかった本ですが、やっと読みました。本の序文にもあるのですが、歴史とは戦争の歴史で、勝った負けたとありますが、なぜ強い軍隊の国と弱い軍隊の国があるか?突き詰めれば資金力だよ、という話しです。

歴史をひもとけば、戦術的に失敗した国でも国力、つまり資金力があれば盛り返しています。あるいは超大国でも戦費の出費が多ければ衰退して戦争続行は不可能となります。ベトナム戦争で経済的に疲弊した米国は撤退を余儀なくされました。アフガニスタン戦争の泥沼化でソ連邦は最終的に崩壊した(アフガニスタン戦争よりも軍拡競争で資金がショートした)。

古代ローマは税金の徴収がうまく行かず、重税を課した被支配地域から内乱が起き、さらに税金が思うように集まらないのでローマ軍団を維持できなくなった。モンゴル帝国の急激な拡大要因は、被支配地域には寛容で、税金も安く、宗教にも寛容で、なにより土地に直接的価値を認めないので、支配される側は自由闊達に経済活動が出来た。

なかなか面白い切り口です。昔、自民党の政治家も『最後は金目でしょ』と述べましたが、確かに最後は金目です。ただ、こう金目だけで歴史が決まると美談もなければ英雄も居なくなる。だから通史は金目のことはあまり触れないのでしょう。歴史とはロマンもないと大衆は満足しませんから、、、


お金の流れでわかる世界の歴史  富、経済、権力・・・・・・はこう「動いた」

お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力・・・・・・はこう「動いた」

  • 作者: 大村 大次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2015/12/11
  • メディア: 単行本



nice!(0)  コメント(0) 

間違って買った本 [书]

伊坂幸太郎の小説は別にファンでもなくても時々読んでいたようですが(伊坂幸太郎と意識することなく話題の本として読む)、この「アイネクライネナハトムジーク」は買って失敗した恋愛本でした(苦笑)。なんせ私は還暦過ぎた爺なんで、琴線に触れないどころが、その手の琴線がもう切れている。

大昔、私が高校生の頃に庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」を父親が「話題作は読む」と述べて読んで、「つまらない」とコメントしたのですが、芥川賞受賞作が月刊「文藝春秋」に載っていて、そのまま父親が読んだわけで、そりゃつまらないよ、オヤジにはもう琴線が無いだろうと当時思ったのですが、私も恋愛琴線の無い歳になった。

日常の会話が文中に多いのですが、これがまた苦手。心理描写もなく(あるのかな?不感症で感じないだけか?)、ト書きのような会話の連続に思える文章に疲れてしまって途中放棄。あとがきに、泥棒、強盗、殺し屋、超能力者、犯人などが珍しくない本になったとあるんですが、こういう奇妙な設定に頼っていてはダメだろうけど、頼らない結果がト書きのような会話文では、、、ストリーテラーから真の小説家になるのは難しいということか。


アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/08/04
  • メディア: 文庫


タイトルが「アイネクライネナハトムジーク」ですが、ドイツ語を学んだ身には、これまんまの意味にしか通らないので、どういう語感を筆者がイメージしてタイトルとしたのかもピンと来ないんですわ。今更、モーツアルトでもないでしょうしね、琴線切れてます。亡父と同じで、味わう側の賞味期限切れですわ(笑)。


nice!(0)  コメント(0)