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周回遅れの読書 コンビニ人間 [书]


コンビニ人間

コンビニ人間

  • 作者: 村田 沙耶香
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/07/27
  • メディア: 単行本



昨年の話題の作だったようですが、周回遅れ気分で読んでみました。で、これはやっぱり傑作だと思いました。極端な人格というか人格障害の主人公なんですが、他人事とは思えない親しみのあるキャラクター。人間の病理でもあり、学習機能でもある周りの環境と合わせるという能力だけで生きていく主人公。

コンビニでバイト暮らしする主人公は、同じコンビニで働く店長とバイトの口調を真似する。そうすると一見、違和感なくコンビニという職場に溶け込める。自分という主体性がないことをよく自覚している。これが病的性格なのか、もともとの人間はそうなのか?

社会という集団生活では、その集団に溶け込めるように周りの習慣をmimicする。そのうち、どこかでmimicした習慣が自己とか個性になっていくだけかもしれない。主人公は、自分は◎◎%は◎◎さんで、△△%は△△さんで、◇◇%は◇◇さんの要素で自分は出来ていると思い込んでいる。

コンビニという職場でバイト店員として働くことで、主人公は自分が社会に繋がっている部品、部分と自覚できる。これは誰しもそうでしょう。ただ、それに気が付いているか気が付かないかは別として。リタイア後に社会との繋がりが希薄になり不安定になる老人は多々居ます。

なるほどこの小説は話題となっただけの視点だと思いました。


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