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周回遅れの読書 壁 [书]





若い頃に読んで、いや読もうとして途中で飽きたのか未読に終わったシュールな作品。今読んでも十分にシュールで、前に読んだ時にもダリの絵画を彷彿させたのですが、今回もそうです。時代背景を考えるとこういう小説になったんだろうなあとは思います。随分と共産主義活動を意識しているというか皮肉っていますし、米ソの核兵器開発競争が激しい核実験の時代背景です。

このストーリーは、アニメにするといいんじゃないか?と思いました。実写では特撮でしょうけど変に生々しいでしょうから。ジブリが「千と千尋の神隠し」を作りましたが、あのように作れるんじゃないかと思いますが。芥川賞受賞の評で審査員の誰かが第一部「S・カルマ氏の犯罪」(芥川賞受賞はこの第一部だけだった)を長すぎると評したのですが、私もそう思います。冗長過ぎるのではないかと。

文中にもサルバドール・ダリのことがちょっと出ますが、ダリは絵で現代の不安な世を描いています。この「壁」を読むとどうしてもダリの絵画を連想してしまうのです。「壁」は1951年の作品で、先日取り上げた「箱男」は1973年の作品です。比較する必要はありませんが、後者の方が作品としては優れていると思います。まだ「壁」には気負いがあり饒舌さがあります。

シュールな小説だからというわけではないのですが、この小説はとても読むのに抵抗感が強いのです。自分の頭の想像力を試されるような読み心地なんですね。読者に迎合していない書きぶりで、そこが良いのかもしれません。スラスラと読めるようでは、何処か胡散臭さがあるわけで、今の世の判りやすさだけを追求した迎合の時代、これをおもてなしと言うのかもしれませんが、とは真逆です。












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コスパ読書 [书]

本はアマゾンの中古本をよく買います。新作ノベルは余り買いません。買うと正価で買わざるを得ません。ところが、二三年経つとかなり安い中古本が出ます。数年前以上だと1円で出たりします。1円くらいだと送料分だけ払うような感じ。

中古本の最安値でも送料を足すと正価を超えるようなら、正価で本を買います。これは仕方ないです。一方で、20万部のベストセラーなどと銘打って出ていたヒット本を中古本で買うと、その販売部数を伸ばすわけでは無いので、ちょっと悪いなあと思います。

残念なのはKindleやkoboの電子本です。これは古い本も安くならない。なんだか変な感じもします。電子本も、一定年数経てば安くなる工夫は無いのか?と勝手なことを思っています。電子本の便利なことはベッドでiPadなどで寝ながら読めること。もっとも眠くなると顔にiPadが落ちてきて痛い思いをします。だから退屈な駄作の小説は電子本では読まないことにしています、でないとまさに痛い本となります(笑)。

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 夕暮れ まだ陽射しは強いですが

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キナ臭い世 [raison d'être]

自民党をぶっ潰すと言って総裁になったのが小泉純一郎でしたが、民進党をぶっ潰した党首が前原でしたね。自民党別働隊隊長の前原氏らしい。もともと民主党右派の防衛族の前原氏、極右的な希望の党が、希望の灯に見えてもおかしくないのでしょう。さて日本は何処に向かうのか?

Twitterを見ていると、確実に地獄に行く舟と、地獄に行くリスクの高い舟とどちらを選択するかが、今回の選挙だと書いてありました。通勤の朝に自衛隊の車両とすれ違うことが日常となりました。休日に高速道路を走っても、ほぼ必ず自衛隊の車両を見かける。

家人に聞いても通勤途中で自衛隊車両を見かけるのが珍しくないと述べていた。自衛隊は嫌いではないですが、そういう世になったのか?と。今朝見かけたのは牽引式の155mm榴弾砲だろう。近くに王城寺原演習地が近いせいもあるでしょうが、兎に角、頻繁に見かける。

米国は軍需産業の国で、常に戦争をし、そして新規の戦争をしたがっている。アフガニスタン戦争はまだ続いています。北朝鮮危機で米国の軍需産業は活気を呈している。株価も軍需産業が引き上げる展開。傭兵産業も盛んで、民間人として戦争に参加しているのが実態。市民権を餌に移民間もない英語も拙い若者も参戦する。戦争をすれば大統領の支持率も上がる。

日本もキナ臭い世になったもんだ。

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 熊の楽園 戦争より熊が好き


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周回遅れの読書 ひとり日和 [书]





古い表現で言えば、アンニュイな若い女性の心情なんでしょうかね。実は感情の起伏があっても、それを表現できないだけなのかどうか判らない都会の女性の心情ってところですかね?芥川賞受賞ですが、審査員の評価を見ると山田詠美が『「淡々とし過ぎて、思わず縁側でお茶を飲みながら、そのまま寝てしまいそう……日常に疲れた殿方にお勧め。私には、いささか退屈。」』と評していましたが、正にその通りの感想で、自分はまだ日常に疲れた殿方にはなっていないと心強く思った次第、、、

一方で審査委員の石原慎太郎が絶賛しているのを見ると、氏は意外に少女趣味だったのか?と思ったりして、あるいは、当時、日常に疲れた殿方だったのか?いずれにしても私には向いてない作品だった。そして、これは都会の女性の心情。東京でなければ成り立たないのでしょう。地方に住む人間には、その都会の感性がわかりにくい。

短篇の「出発」には、主人公が新宿の職場を辞めて秋田の実家に帰ろうか?という心理模様が描かれています。秋田に帰ろうか?戻ろうか?それは都会を捨てていく若者の心理を象徴するんでしょうけど、一々、東京の風物の固有名詞が出て来る。都会を見せつければ見せつけるほど田舎心が染み出すとは言い過ぎかね、、、、本当の都会人はそこまで都会に固執しないものよ。なぜなら都会が空気のようで意識してないから。著者は埼玉出身か、、、なるほど。その昔、庄司薫が「赤頭巾ちゃん気をつけて」で、それまでは小説ではタブー視されていた商品名固有名詞を多用した時は斬新だった。

東京を馬鹿にする矢作俊彦がかっこいい。私ももともと浜っ子だから、、、、西区だったけどね。『あの女が歌った町は新宿だ。定置網にひっかかった鰯みたいな百姓女が新宿のドブを出て行くって歌だ。ーー一緒にしなでくれ』(「複雑な彼女と単純な場所」矢作俊彦著)


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この時期に600億円の選挙?大義のない無駄な選挙 [raison d'être]

安倍首相の独断の国難の衆議院解散選挙。森友加計学園飛ばしの選挙に国税が600億円くらい消費されれます。過去の推計額ですから、今はおそらくもっとかかるでしょう。マスメディアはだらしない。ほとんど何の批判もしないわけで、忖度もここまで来れば自主的な言論統制そのものでしょうか。

呆れてしまう。政治家の政治家のための政治家だけのご都合選挙。いやはや、、、呆れた。確かに政治はまつりごとだと思いました。政を「まつりごと」と読むようですが、祭り事でしょう。安倍首相は、選挙で圧勝して、森友加計学園問題を粉砕し、一挙に憲法改正へと持ち込むのでしょう。

嫌いな言葉ですが、これは政治家のための政治の戦術としてはリーズナブルです。選挙民の意思の確認といより、選挙にただ勝つための政治屋の発想としては極めて妥当でしょう。しかし、これが日本国の政治として妥当とは決して言えないでしょう。

国を誤る、政治の私物化と言われかねない類のもの。さて、日本はどうなるのか、何処へ行こうとしているのか?こういう時代が来るとは毫も思いませんでした。マスメディアが自民党忖度放送局として活動している中で、元SMAPの稲垣・草薙・香取の三人がインターネットを活動の場として活躍しそうなのは期待できるかな?

テレビは吉田類の酒場放浪記で決まりでしょう。今は仙台編で馴染みの繁華街が写っているのは楽しい。つまりない忖度政治報道よりも、よほど精神的によろしい。

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 酒田の街角 誰も居ない?





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周回遅れの読書 箱男 [书]





これは昔の本です。安部公房、医師モノは読まない原則の例外が安部公房と北杜夫。それほど厳密な原則ではないのですが。箱男ですが、当時は実験小説とされたもの。昭和48年頃の作品。何故、今更読んだのかと言えば、「春の庭」や「死んでない者」 、「しんせかい」を読んだからです。どの作品も視点を転換している。しんせかいは、転換と言うより初めから視点が曖昧。でもこの手法はデジャヴなんです、私にとって。その典型的なデジャヴを彷彿させたのがこの「箱男」ですわね。

視点の転換と言うよりも、描いてる作者が、描かれてる対象者と渾然一体となる。さらに視点は過去の回顧なのか未来の予定予測なのかもわからなくなる。はたまたこの小説は主人公の、その主人公さえ曖昧なんですが、妄想なのか現実なのかも曖昧となる。そもそも小説の書き手は何者?という根源的な疑問を呈している。それまでの小説の書き手は、主人公なのか?あるいは全体を俯瞰する神なのか?一体お前は誰なんだ?という疑問を伏せてる偽善性の?うえで成り立っている?それを打破?した実験小説とは言え、ここまで読書者の視点を揺さぶると小説として破綻しそうになるのですが、そこをセクシュルアルな軸で繋ぎ止めている。

この実験小説が成功しているかどうかは読み手に委ねますが、こういう安部公房の揺さぶりを体験していると、最近の芥川賞や直木賞では、なかなか驚かないのです。あゝ爺いのひねくれコメントですね。この作品はザッと四十数年前ですよ。この間の進歩はあるのかなぁと?進歩ありきに思うこと自体が老化現象かもしれません。

私が私小説を認めないのは、プロの書き手としては物足りないから。私小説に出来なくても、人それぞれ小説になるくらいの人生は送っている。プロの作家なら、その小説の書き方、手法くらいはプロであれです。私小説とは自分の人生の(つたない)感想文でしかない。そうじゃなくてプロの作家になれよ!ですが、それが難しいのはよく分かる。でも、プロの書き方ってもんがあんだろう?と、、、、安部公房が様々工夫した書き方の手法は、やはり先鋭的だったと思います。

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 小説に挟まっているフォトグラフィーの一枚


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周回遅れの読書 「上海」横光利一 [书]





この小説は昭和7年のもの。時代背景は、中国の五・三〇運動の上海。1925年に上海の日本人経営の紡績工場で中国人労働活動家が殺害され、上海全体がゼネスト状態となり反帝国主義運動が勃興した。その前後の話。

恋愛話しなのですが、当時の男性の女性観が現在とはあまりに違うので最後まで小説に入り込めませんでした。この本はKindleでは無料じゃないかと思いますが。主人公には五人の女性が絡み、思いを寄せる女性を入れると六人?なのか?

今で言えば風俗水商売が三人、ロシア亡命貴族の娘が一人、中国革命家が一人ですかね。当時の時代を考えれば著者の横光利一はギリギリ限界の時代風景描写だったようですが、著者はこの時代背景を描くために筆をとったらしい。なんだかですね、横光利一をあまり知らないのですが、人物の描き方が俗っぽいのですよ。簡単に言えば大衆小説並の雑さです。

当時でさえ、この五・三〇運動については日本であまり重視されなったようです。それが日中戦争、太平洋戦争の泥沼への堕ちていった無知へと繋がるような気もします。中国のこの上海ゼネストは反帝国主義へと燃え上がり、第一次国共合作を体現する運動そのものとなった。

小説ではアジア主義という旧日本側の論理が出て来るのですが、これは大東亜共栄圏や八紘一宇に繋がる発想。アジアから白人支配を駆逐するのだから、日本に中国人も協力しろという都合の良いもので、ここでの中国というのは国民政府に近い。共産主義を蛇蝎の如く見る時代だったので、共産主義が蔓延れば中国人(経営者)も困るだろうと言うのですが、中国は国共合作(国民政府と共産党活動が一致団結して外敵と戦う)が成り立った(後にこの第一次国共合作は消滅)。

さて、今の日本はこの建て前のアジア主義のかけらも無いわけで、米国一辺倒。安倍総理はまるで米国に北朝鮮攻撃をけしかけるが如く。アジアが戦乱となっても構わないかの?と危惧しますがね。麻生大臣は難民問題が来たら射殺するとか、こりゃ横光利一の時代より酷いわ、、、、


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キャンセルしたくないから、、、 [raison d'être]

米朝関係の悪化からニューヨーク株が下落している。とうとうヤっちまったゼとならない事を願う。実は今晩飲み会なんだキャンセル料払いたくないんだ、、、、


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衆議院解散の決断は国難のため? [raison d'être]

安倍首相が衆議院の解散を決断したのは、民進党で前原氏が代表となったからでしょう。別名、自民党別働隊の前原氏(本人はそう意識してはないか?)は共産党を毛嫌いして野党共闘は組まないとみたわけで、これなら野党総崩れで自民党の圧勝間違い無しと見たわけです。

とは言いつつ、極右じゃないか?と思しき小池新党やらに自民党極右に近い右派が流れていくようで、なんともまあとは思います。安倍首相の演説では「国難」と述べていますが、ホントですか?そりゃ安倍難じゃないですか?あるいは森友加計難じゃないですか?と難儀やなあ、、、難ともまあ、、、

今回の選挙にいったい幾らかかるのかしら????そして難のため?国難ね、、、、

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 国難の最中に山形の酒田に行ってきました。ハタハタ(鰰)を食べてきました。美味しかった。


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周回遅れの読書 率直に言って覚えてないのだ、あの晩、実際に自殺をしたのかどうか [书]

「しんせかい」に入っている二篇目ですが、これは富良野塾?とおぼしき塾の入塾試験前日の話しです。相変わらずけったいな短篇ですが、なぜか惹き付けられる文体です。不思議です。語彙は平易です。なんなんでしょね。天性の人の心に響く文章なんでしょう。

やはり詩的な表現の散文でしょうか。ストーリーは「しんせかい」以上に何もありません。大阪から出てきて明日、入塾試験を受ける青年(多分、著者自身)が、深夜に新宿歌舞伎町に行ってみた話し。行ったのかどうかも定かで無いです。

行く途中に練炭で自殺をしようとする路上生活者のブルーシートの小屋に寄るのですが、自殺したのかもしれませんし、してないのかもしれないという翌日までを描いています。よってこれは「しんせかい」の前日の話しのようです。

舞台劇にすると様になるかもしれません。尤も演じる俳優の力量によるでしょうけど。富良野塾にはこういう著者のような人材が集まったのかもしれません。初期には富良野塾開設者のカリスマ脚本家の名声を頼り集まったのでしょう。





よって富良野塾での育成内容よりも集まった人材によるところが大きいのでは?過酷な農作業と演劇演習、脚本家育成研修よりも選抜した塾生の天性の素質が良かった。この「しんせかい」の著者も富良野塾では何も無かったごとき凹凸もないストーリーを書いていますが、実際に実習や講義からは育成されてはいないのでしょう。結局、こういった素質を持った塾生を選抜したカリスマ脚本家の眼力が良かった。

間違って入ってきた新聞広告に塾の募集があったので、なんとか生まれ育った大阪から脱出したくて、訳もわからず入塾試験を受けたと。これは本当なのか?本当とすればもともと凄い天性の才能があった。嘘だとしても、こういう嘘をヌケヌケ書ける天性の才能があった。読者はいっぱい喰わされているかもしれない。でも本当のことはわかりませんね。そしてどちらでも良いことです。文章にはなぜか魅力がある。


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